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価格転嫁とは?消費増税で困る人は誰?消費税転嫁法

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消費税の増税が決まり、家計を預かっている主婦の方などは、来年4月に向けて家計の引き締め計画をしていることと思います。

消費税が8%になると、今まで通りに買い物していれば必然的に出費は増えますし、出費がかさむと生活が苦しくなってしまいます。
しかも消費税が8%になってあとにはさらに10%にまで引き上げられると言われており、家計への影響は深刻なものになってしまうことでしょう。

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ところで、みなさんは「消費税転嫁法」という法律をご存じでしょうか?

2013年6月に成立した法律です。

これは、「消費税還元セール」の禁止などを盛り込んだ法律。

我々消費者からすれば消費税還元セールはうれしいものですが、どうして禁止されなくてはならないのでしょうか?

「下請け」は負担を強いられている

100円のものを買うためには、わたしたちは105円を支払わなくてはなりませんよね。

消費税還元セールなら、100円のものに消費税がかからずにそのまま100円で購入することができます。

でも本当は消費税はかかるわけですから、お客さんが負担しない代わりに誰かが5円を負担しなければならなくなります。

この5円は誰が負担しているのでしょうか?

もし、小売店自身がその分を負担してでも顧客を集めたい!と思うなら良いのですが、実際には小売店が負担していない場合も多いのです。
では誰が負担しているのか?

それは、仕入れ先の会社です。

お客さんにたくさん来てもらうためには値段を安くしなければなりません。

でも、値段を安くすればお店の儲けは減ってしまいます。

そこで、お店は商品を仕入れる際に、仕入れ値を値切るようになります。

値切られると仕入れ先の会社も苦しいのですが、契約を切られる方がイタイと判断した場合、無理をしてでも値下げして売ることになってしまいます。

お店としては安くで仕入れて安くで売れば儲けは確保できますし、お客さんも安い値段で買い物ができてうれしいものですが、その分のしわ寄せが下請けの会社にいっているという問題が多くあったのです。

価格転嫁とは?

価格転嫁とはこのように、消費税の増税分を誰かに負担させることを言います。

たとえば最近、パンの値段が上がっているところがあります。
それは、小麦粉の値段が上がっているからです。

小麦粉の値段が高くなれば、パン屋さんの儲けは減ってしまいます。
それでは困るので、パンの値上げをすることでお客さんに価格転嫁し、儲けを確保している、というわけです。

でも、いつだって消費者に価格転嫁できるわけではありません。

値段が上がれば、消費者としては買い物を控えるのが当然の流れとなります。
いくら値上げして儲けを確保しようと思っても、お客さんが来てくれないのでは儲かりませんよね。

そこで、お客さんに来てもらうためには値上げをほんの少しだけにとどめる、もしくは現状維持にする、という方法しかなくなってしまいます。
でも値上げしなければ自分の店の儲けがなくなってしまうわけですから、困りますよね。

お客さんに負担させられない、自分の儲けは死守したい。

そうなれば、パン屋さんは小麦粉の仕入れ値を下げるしか方法はありません。
つまり小麦粉を売ってもらっている業者に対して「安くしないと契約打ち切るぞコラ!」と圧力をかけて、値下げに応じさせる、といった横暴な手段に出ることだってあります。

ちなみに、お客さんの負担を増やさずかつ自分の儲けを死守するために、小麦粉を安物に変える、という手段もありますね。
その場合は品質低下があっては困りますが味わいが変わらないなら今より安いものを使っても良いと思います。
ただし、バナメイエビを「芝海老」と偽装して売るようなことはしてはいけません。

下請け業者や中小企業は価格転嫁ができない!

今回の消費増税に先駆けて、価格転嫁対策のために作られたのが、冒頭で紹介した消費税転嫁法です。
正式には「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」というややこしい名前の法律で、今年6月に成立、10月1日にすでに施行されています。

消費税が上がると、お客さんに負担させたら売り上げが落ちちゃう、でも自分は負担したくない、と考えるお店が、下請け会社に価格転嫁して「下請けいじめ」をする可能性もあります。

お店の方も生き残るために必死ですからひとくくりにして悪者扱いするわけにもいかないのですが、やはりどうしても下請けというのは立場が低くなりがちで、小売店の無理な要求をのまされることも多いようです。

こうした価格転嫁がおこなわれると、中小企業の小さなところばかりが損をするようになってしまいます。

大企業は下請けに価格転嫁しますが、その下請け会社はさらに自分のところの下請けに価格転嫁することになります。
そうして価格転嫁がどんどん立場の弱い会社におこなわれるようになり、末端にあるような小さな会社はもろにダメージを食らってしまいます。

そんな問題が起こらないようにするために作られたのが消費税転嫁法です。

この法律のもとに、適正に取り引きがおこなわれて、弱い者いじめにならないようにしよう、というのが狙いになっているわけですね。
また、もちろん消費税増税によって納税が適正に行われていないようなことがあれば、そういったことも取り締まるようですよ。

それでも消費税還元セールは実施される

消費増税に際して、消費税還元セールをおこなうことは法律により禁止されましたが、それでもセールはおこなわれるでしょう。

そもそも、セール自体が悪いわけではありません。
セールをすることによってお客さんがたくさん来てくれることもありますし、それによって売り上げが上がることもあります。

セール自体が悪いのではなく、悪いのは仕入れ先に不当に値下げを要求することです。

と言うわけで小売業界からの猛烈な反発もあって、実質的にはセールの実施は認められています。

「消費税還元セール」といった呼び方が禁止になっただけで、別の名目でセールをやる分には問題ない、とのことです。

「消費税還元セール」はダメでも、「全品3%引き!」だとか、「春の生活応援セール」みたいな名称でセールをすることはOKで、実質的には消費税還元セールと同じような中身になっていても問題ないそうです。

それはそれで問題があるのでは?という気はしていますが、おそらく来年の4月にはあちこちでさまざまなセールがおこなわれるのではないでしょうか。

わたしたち消費者はセールだとうれしいものですが、そのセールのせいで誰かが苦しんでいるのかもしれない、ということも心に留めておきたいものですね。

セールで必要なものを買うぐらいなら良いかもしれませんが、くれぐれも安いからと言って不要なものを買うのはやめておきましょう。

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